鉄鍋は錆びる
キャプテンスタッグのミニ鉄鍋
キャプテンスタッグの6mm厚/14×9.5cm/1.5kgのミニ鉄鍋。米を1合炊けるからソロキャンにぴったり。Amazonの置き配で届いたこれ、ところどころ錆びてるからタワシでゴシゴシ洗って何回か油をなじませないと使える気がしなかった。シーズニングって言うよりも油で焼き入れってのがぴったりくるな。ま、テントやウエアと同じで鉄鍋もピンキリってことだね。
錆びる
アルミのコッヘルから替えて半年ほど使用したが、使うたびに錆びる。鉄だし当たり前か? 湯洗いして放置したら目の前で表面にサビが浮き上がってきて、生きてるのかこいつ感があってある意味、鉄器って凄いな。
レトルトの鶏肉の炊き込みご飯。米1合ををといで水は多めに入れて30分放置し、ご飯の素を1/3ほど混ぜて弱火で30分くらい炊いて10分ほど蒸らしたら出来上がり。
夕方から焚き火の前で2~3時間、寝転んだり座ったりぼけーっと過ごすとしてちょうどいい時間だ、肉も焼きたいし。底の方がちょっと焦げたけどまあいい感じに炊けて美味かった。
錆びない?
待てよおー、水を入れて30分放置してる間に錆びてんじゃないのかー? 水って酸素含んでたよなあ・・・
いや、大丈夫そうだ。水を捨てて表面を確かめてみたが錆びは浮いてない、よかった。オリーブオイルが膜になって空気に触れないから?
台所だからコメはボールでといだが、焚き火だとそれは無理だし、とぐとオイルが流れてしまうし、それに洗い場なんてないんだから、どうすっかな? その辺にとぎ汁を捨てると夜中に野生動物が忍び寄って来そうだし、ごみは出したくないし、水にも限りがあるし、とがないでそのまま炊けばいっか・・・うん、そうしよう。
鉄が焦げた?
あと米と水を入れて放置してる間に細かい黒い粒がただよってたのは何だ? 鉄が焦げて炭になったか・・・?
ガス台の炎は最高1900度に達するようだからそりゃ鉄も焦げそうだ。焚き火も1000度を超えるのかな? 太陽の表面は6000度・・・ 黒い粒は見なかったことにしよう。
錆 - 考えてみれば、日頃からステンレスやアルミ、ホーローやテフロン加工の鍋やフライパンに慣れてるから、サビると先ずビビるな。夜のドンキで生ハム買ってきてチャーハン作ろうと思ったら、うわ~中華鍋が錆びてるーってショックを受けちゃう。
いや、鉄は錆びるよな
それに、街中で錆びた何かを目にすることもあまりない。ガードレールとか放置自転車とか階段の手すりとか公園のブランコのチェーンとか、やはり風雨にさらされてメンテナンスしないで放置すると鉄はどんどん錆びる。
身から出た錆って言うくらいだから、錆びのイメージはネガティブで厄介だ。いやいや錆も赤かったり黒かったりして南部鉄器は黒錆加工らしいから錆を上手く扱う知恵がありそうだ。
錆びの記憶
記憶をたどると潮の匂いがする港の風景かな。ごっつい赤茶色の鎖とか桟橋の岩まで喫水線に沿って太い刷毛で茶色い線を引いたようだったな。鋼鉄の塊、船から出た錆だ。
今日も歌う 錆びた港で ~ それはスピッツ。
「錆びる = 悪」の感覚が身体に染み込んでるんだろうなあ。
鉄は錆びる、それはもう鉄の特質、性質、属性なんだと思って受け入れよう。鉄鍋を使うことは錆とうまく付き合うことなんだ。だから錆びたからって慌てないで、落ち着いてメンテナンスしてやればいい、と思われ。
つまり、鉄鍋のルールで付き合っていけばいいんだ。
そもそも鉄鍋って?
そもそも、鉄鍋ってどういうもの?
素晴らしい。ココットLが気になる。
鉱山で鉄鉱石を採掘したり川で砂鉄を集めて、タタラ場で溶かして、砂型に流し込んで成型して、鉄鍋が出来上がる。砂金が出たら超ラッキー!
アスタラビスタ
タタラ場の女たちに交じってアシタカがフイゴを踏み、どろどろに溶けた鉄の中で親指を立ててシュワちゃんが壮絶な最期を遂げたあの日・・・。紀元前1200年頃に始まったらしい鉄器文化、石から鉄への巨大な一歩、鉄でできた最初の道具はナイフの類だったんじゃないか? 鉄器が日本へ入って来たのは弥生時代らしい。
鉄と人間の関係は、超蜜だ。
アスタラビスタ。
鉄鍋伝道師
鉄をめぐる考察はさておき、日本には「鉄鍋伝道師」を自称する人物がいる。この道20年、日々「鉄鍋教」の布教活動にいそしんできたそうだ。自他ともに認める鉄フェチ。
師曰く、
錆びてもいくらでも再生できますのでご心配なく。私もダッチオーブンはキャンプで酔っぱらって一晩屋外に放置し、錆びさせた経験が度々あります。
・金たわし等で、サビをゴシゴシこすって落とします。
・サビが取れたあとは、鉄の地金の色(銀色)が出てきます。
・そこにオリーブオイルを塗り、ガスコンロでその部分を空焼きします。煙がでても慌てず、その部分のつやがなくなるか否かのタイミングで火を止めます。
金タワシでこする?!
な、な、なんだってー? ダッチオーブンのメーカーサイトやキャンプブログで、今まで「金タワシでこするのはNG」って何度目にしたことか!
真逆の見解だ。
傷もつくさ
金タワシがNGな訳は、たしかに表面を傷をつけないためってのは分かるんだが、それだとねえサビがきれいに落ちないんだよね。それに台所でガス台やIHにかけるんじゃなく、電気もガスも水道もない森の中で焚き火にかけて、石の上や地面の上にも置くんだし、傷がつくとか気にしてたら楽しめないよ。
無敵のミニ鉄鍋
焚き火にかけた鉄鍋がススワタリに取りつかれたり錆びが出たらまずススとサビを落とす。金タワシを使ってでもいいからごしごしやって、それでも落ちない頑固な錆びはヤスリで削り落とす。銀色の地金が出ても気にしない。油臭かったりもするからクレンザーや洗剤でごしごし洗う。鉄じたいの臭い(金属臭)はしょうがない。スス汚れ、油汚れ、錆を落とした後、次にどうするかってことが分かってればオッケー。
これでもう無敵のミニ鉄鍋だ。
師よ、ありがとう!
アフガニスタンのカザン鍋
サイモンのこの動画に面白い鉄鍋、っていうか圧力鍋が出てくる。
アフガニスタンのカザン鍋 -巨大な鉄の中華鍋- を圧力鍋にしたものみたいだが、この動画の圧力鍋はアルミ製。地面の上を転がして混ぜてる。密閉できるから汁ものでも残ったらそのまま持ち帰れる。ただちょっとでかい。
スパイスが決め手か?
鉄鍋とトマトピューレでラムシチューか、いいね。味の決め手はやっぱスパイスかな? ニンニク、塩胡椒、カルダモン、シナモン、自家製のスパイスミックス。
うまそ~腹減った!
アウトドア用の調理道具もいろいろありそうだなあ。